困っているひと
- 作者: 大野更紗
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2011/06/15
- メディア: 単行本
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ほぼ日の記事で目に止まり手にとってみました「困っているひと」
一言でさらっと言ってしまえば、原因不明の難病と戦い続ける作者の闘病記。
でもね。彼女の文章力が半端ない!
ところどころに入れてくる横文字の表現が効いてるのか、あだ名のつけかたのセンスか、ユーモラスに満ちているん。
正直、彼女の病状を読んで誰が読んでも「困っているひと」なんて冗談ぶっこいてる場合じゃない!って思うはず。
読み手ですら身震いをしてしまうようなシーンがたくさんでてくる。だけど最後はクスッとしてしまう。
前を見続ける力がある人だからこそ、描ける文章なんだろうね。
この連載は、いわゆる「闘病記」ではない。もちろん、その要素も兼ねざるを得ないけれど。
いま、わたしにとって、生きることは、はっきり言ってチョー苦痛。困難山盛り。
一瞬一瞬、一つ一つの動作、すべて、エブリシング、たたかい。
もうね、ひとりの人間が、たった一日を生きることが、これほど大変なことか!
後半「わたし、生きたい(かも)」の章
絶望の果てに見えた本当の優しさ。感動したなぁ。
おしり有袋類の作者のバイタリティとユーモアに満ちあふれている闘病記。
ネットでも読めるので気になった人は是非。力と笑顔をもらえます。
(ちょいと私情を入れますと)
百万回の「よくなってます」より、一回の「よくやってます」
自分に言い聞かせるように、元気になってきてると俺に言う母親のセリフとすごく重なる。
このセリフはいつか妹に言ってあげようと思ったよ。「よくやってるな」って。
でも、もうちょっとお互い余裕を持てるようになってからだね。
今言ってあげたとしても、それはただの言葉にしかならないと思うから。